山村美紗サスペンス

京都龍の寺殺人事件

FC山村美紗1

概要

● 山村美紗原作のキャサリンシリーズのキャラクターを使ったオリジナルアドベンチャーゲーム。のちにMSX2ソフトとして移植された。ファミコンのゲームデザイナーである主人公が、構想中のゲーム内容のシナリオ通りに起こる殺人事件に巻き込まれていく、と書くとすごい楽しそうだが、実際はそこまで見立てが行われるわけではない。
● いたって普通のコマンド選択式アドベンチャー。グラフィックもシナリオも操作性も突出したものはなく、かといって悪くもなく、平凡な出来。ゲームオーバーはなく、パスワードを使って中断からの復帰が可能。取れる選択が多すぎて難易度が高い…、というより無駄に時間を浪費する。
● 一番最初に提示されるアナグラムの仕組みのせいで、人物の名前が似通りすぎて困った。漢字ならともかく、平仮名で表示されるため間違えやすい。アナグラムにした意味もあんまりないし、ここは失敗だと思う。
● 山村美紗サスペンスという冠はゲームのタイトル画面に出てくるものの、本作の正式タイトルは「京都龍の寺殺人事件」のみ(だと思う)。山村美紗本人が書き下ろしたっぽく説明書には書いてあるが、実際にどこまで本人が関わっているのかは不明。個人的にはプロットすら怪しいけど。


攻略

シナリオの攻略チャート
 クリアまでに最低限必要なコマンドを記載したチャートです。この通りに進めると説明不足なシナリオになる可能性もありますので、そのままなぞるのはおススメしません。 まずは自分でいろいろとコマンドを試しつつ、進めていって、詰まってしまったときに見るのがいいと思います。

● ゲームを進めるにあたって注意すること
 このゲームではゲームオーバーは存在しません。ただし、手順によってはフラグ管理やバグによって進行が不可能になることもあるようです。日付が更新されたときなど区切りごとにパスワードをメモしておきましょう。




序章

 主人公は新作ゲームのイベントのため、京都の龍安寺にやってきたゲームデザイナー。ところが龍安寺で、偶然にも女性の死体を発見。 その手のひらには文字の書かれた6枚の桜の花びらが握りしめられていた。殺された女性の名は尾沢百合子。京都でも有数の資産家の娘だ。しかし、事件はこれだけにとどまらず、第二、第三の殺人事件に発展していく。京都の龍の寺々を舞台にして……。
 驚くべきことに一連の殺人事件は、ゲームデザイナーが構想中の次のゲームの内容とそっくりに進んでゆくのだった。そのために京都府警本部の狩矢警部に容疑者としてマークされてしまう。
 このゲームデザイナーとは、あなたのこと。推理力抜群のパートナー、キャサリンの協力を得て、独自で事件の捜査を開始するが、尾沢家の財産をめぐる争いなど、複雑な人間関係が入り乱れ、なぞはますます深まっていくのだった……。


登場人物紹介

主人公
 ファミコンの人気ゲームデザイナー。イベントのために来た京都の寺で恐るべき殺人事件に巻き込まれるが、キャサリンたちの協力を得て、事件を解決しようとする。キミこそがその主人公自身なのだ。
キャサリン
 元アメリカ副大統領の娘で、推理マニアの美女。主人公の良きパートナーとして、事件に関する鋭い助言をしてくれる。カフェ・ド・ミサにいることが多い。京都府警本部の狩矢警部の親友。
マダム
 キャサリン行きつけの店、カフェ・ド・ミサの女主人。店に行って、中断のコマンドをするとパスワードを教えてくれる。そのほかにもいろいろなヒントをくれたりする。山村先生に似ているという噂。
狩矢警部 【かりやけいぶ】
 京都府警本部の腕利き警部。龍安寺で起こった殺人事件の担当。行動派で、府警本部にいないことが多い。主人公に疑惑を抱いてはいるが、事件に関する重要なヒントを教えてくれることもある。
尾沢 百合子 【おさわ ゆりこ】
 龍安寺の殺人事件の被害者で、尾沢家の養女のひとり。ファミコンが大好きな典型的な女子大生で、主人公であるゲームデザイナーのファンだった。
尾沢 美那子 【おさわ みなこ】
 尾沢家の養女のひとりで年齢は23才。性格は大変おとなしく、物静か。普段は家にいて、体が弱く病気がちのふじの世話をしている。
尾沢 菜美子 【おさわ なみこ】
 彼女もまた、尾沢家の養女のひとり。25才。三姉妹の中では、いちばん年上ということもあって他のふたりの良き相談役といった存在。知的で行動的な音楽好きな女性。
尾沢 皆男 【おさわ みなお】
 尾沢家の前当主である龍太郎の遠縁にあたる人物で、尾沢家に同居している。菜美子に好意を抱いているが、部屋に閉じこもっていることが多い。企画会社勤務。24才。
小波 佐和男 【こなみ さわお】
 百合子の恋人のエリートサラリーマン。しかし、他に正式な婚約者がいるというプレイボーイ。24才。勤務先はエル商事で、ヴィラ都に住んでいる。


操作方法とシステム

操作方法について
十字ボタン…コマンドの選択
STARTボタン…タイトル画面での決定
SELECTボタン…タイトル画面での選択
Aボタン…項目の決定/2回連続押しでメッセージ早送り
Bボタン…項目のキャンセル

コマンドアイコンについて
 画面中央に出ている10個のアイコンは主人公の行動を起こすコマンドを表している。アイコンを決定したあとに選択肢が出てくることもあるが、これらはサブコマンドといい、その次に起こす行動、目的を選んでいくことになる。 コマンドアイコンの表している行動は左から以下の通り。

移動・・・主人公が向かう先を指定できる。
聞く・・・登場人物から証言やヒントを聞くときに使用する。
調べる・・・怪しい場所や人物、証拠品を確認するときに使用する。
電話・・・捜査によって判明した電話番号をもとに電話をかけることができる。
取る・・・事件の証拠品や、証拠となりそうなものを見つけたとき、このコマンドで取ることができる。写真を撮ることもこのコマンドに含まれる。
見せる・・・事件の証拠品として所持しているものを証言者に対して見せるときに使用。
中断・・・ゲームを中断し、パスワードを表示するときに使用する。カフェ・ド・ミサでしか使えない。
キャサリン・・・キャサリンに協力をしてもらうときに使用。カフェ・ド・ミサでかつキャサリンがいるときにしか反応がない。
考える・・・集まった情報を整理するときに使用する。自分の部屋でしか使えない。
告発・・・加害者として立証できる相手に対して使用。

中断とパスワード
 ゲームを中断するにはカフェ・ド・ミサへ行って中断のコマンドアイコンを選択する。 その際にマダムからパスワードを教えてもらえる。タイトル画面で「CONTINUE」を選択し、そのパスワードを入力すれば続きから再開することができる。なお、パスワードの空欄の部分も1文字と数え、入力する際には空欄を入れる必要がある。


その他

スタッフクレジット
脚本:加藤雅
作画:度戸絵師
音楽:三味太鼓
監修:黒沢明石
原作:山村美紗

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データ
メーカー:タイトー / ジャンル:アドベンチャー / 発売日:1987年12月11日 / 価格:5,500円(税抜) / プレイ人数:1人 / ファミコン専用ソフト




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